環境の範域は理屈のうえでは

限定できるものではなく、無限に広がるものとみなされる。

眺望のように遠くの物体が直接重要な内容となる場合もあるし、騒音や臭気のように発生源が離れていても問題となるものもある。

人間社会においては、情報を媒介にして、他国のできごとが直接的な意味をもつことも少なくない。

「風が吹けば桶(おけ)屋がもうかる」式の影響の波及や関係の伝播(でんぱ)性を考えれば、環境の範域を限定することはますます不可能となる。

他方、主体が影響を受けるのは、いずれにしても環境の作用がなんらかの意味で主体に直接及んだときである。つねに無限の広がりをもつ環境を取り扱うというのは現実的ではない。

そこで、主体が直接交渉をもつとみなされる適当に近い範域、すなわち近接環境を環境としてまず第一に取り上げるのが普通である。

環境のなかに主体に対して直接的な重要性をもつ部分や要因を認めて、これを有効環境とよぶこともある。

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